🏞️ はじめに:塩江の山奥で“昭和の夢”を見た話
香川県民の温泉といえば塩江温泉。
でもその源泉のすぐそばに滝があるって知ってました?
…正直、私も知りませんでした。
地図にも載らず、観光案内にも出てこない。
けれど実際に行ってみると、そこには忘れられた観光地の残像が――。

♨️ 塩江温泉の源泉、まだ現役だった!
源泉は煉瓦造りの施設からこんこんと湯が流れています。
手を浸してみると意外と冷たい。
「ぬるいどころか水やん!」と思いましたが、塩江温泉はもともと冷泉。
ここで汲み上げた湯を、各旅館で加温して使っていたそうです。
そして今もこの湯は、町内の温泉宿で実際に使われていると思われます。


🪨 「讃岐五景」の石碑がこんなところに!
源泉のすぐ横には、苔むした階段とともに堂々と立つ石碑。
そこに刻まれた文字は――「讃岐五景」。

まさかの名勝タイトル。
屋島、金刀比羅宮、栗林公園…そうした並み居る名所のひとつに、
この塩江が選ばれていたなんて!
今は人も訪れず静まり返っていますが、かつてここが香川を代表する景勝地だったことを思うと、
ちょっと胸が熱くなります。
🍃 忘れられた広場と、苔むすテーブルたち
階段を上がると、そこには昭和の香りを残す“休憩広場”。
丸いコンクリートのテーブルとベンチが整然と並びます。
ただし今は、苔に包まれて完全に自然と同化中。
かつてここでお弁当を広げていた人々の笑い声が、今は鳥の声に変わりました。

💧 木橋の向こうに現れる「白櫻の滝」
さらに奥へ進むと、木製の太鼓橋が現れます。
橋の向こうには――白く輝く滝!


これが**「白櫻の滝」**。
光の加減によって滝の水がまるで白い花びらのように舞って見えることから、
そう名付けられたそうです。
水量は控えめですが、森に響く水音がとにかく心地よい。
ここが昭和の観光開発地だった面影を残していて、
太鼓橋の横には小さな休憩小屋まであります。
🕊️ 残された“人の手”の記憶
苔むした階段、石碑、レンガ造りの湯口。
どれも「誰かがここをよくしよう」とした跡。
塩江温泉が町の希望だった時代が確かにあったのです。

温泉ブームが去っても、山から湧く湯は今も静かに流れ続けている。
そんな“時が止まったような場所”が、香川の山奥にあるんです。
🚶♂️ おわりに:秘境好きなら一見の価値あり!
今ではほとんど人も訪れず、観光地というよりは自然遺産のような空間。
けれどその静けさが、かえって癒しを感じさせてくれます。
虫よけスプレーと長靴を持って、ぜひ訪れてみてください。
「え、こんなところに滝が!?」と驚くこと間違いなしです。

📍 アクセス情報
所在地: 高松市塩江町上西地区(塩江温泉郷 源泉付近)
目印: 「讃岐五景」の石碑が立つ階段の横が入口
駐車場: 源泉施設前に数台分あり(路肩注意)
注意点: 足場が悪く、滑りやすいので登山靴推奨


