
暑さ、止まらず…
8月25日。
暦の上では処暑を過ぎて「少しは涼しくなるはず…」なんて期待したのに、現実は真逆。
むしろ今日も全力で真夏日。もう笑うしかありません。
「じゃあ嘆くよりも、夏の風物詩で涼をとろう!」
そう決めて、坂出市城山のふもと、八十場の名物「ところてん清水屋」に向かいました。
崇徳上皇ゆかりの地
この八十八の地には、実は深い歴史があります。
保元の乱で流された崇徳上皇がここに住んだと伝わり、亡くなった際には、その体をこの清水に浸したところ、生きているかのような姿のままだったと伝承されています。
それほどまでに清らかで尊い水が湧き出している土地なのです。

古事記にも登場する「八十場の清水」
実はこの水はさらに古い時代、『古事記』 にも登場します。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の息子、**武穀王(たけかいおう)**が悪魚と戦った際、毒気にあたり部下とともに動けなくなったときのこと。
そこへ童子が現れ、霊泉水を飲ませたところ、武穀王は正気を取り戻しました。
その霊泉こそが、この地に湧く「八十場(やそば)の水」であったと伝えられています。
つまり八十八の清水は、古代から人々の命を救い、歴史の舞台に何度も登場してきた「霊泉」なのです。
泉は今も冷たく澄んでいる
店の前にある泉に手を浸してみると、真夏なのに驚くほど冷たい!
流れる水の透明さとひんやり感は、まさに天然の冷房機。
「この水で生き返る」という古事記の逸話も、納得できる気がしてきます。
真夏でも驚くほど冷たい清水
店の前には、今もこんこんと湧き出る泉があります。
流れる水に手を浸すと、真夏なのにびっくりするほど冷たい!
猛暑続きの体に「ご褒美」をもらったようで、思わず長居したくなる気持ちよさです。
日本家屋風の趣ある店構え
「清水屋」は日本家屋風の落ち着いた店構え。
縁側に腰掛けるような気分で、のんびり待ちながら注文したのはもちろん ところてん(酢醤油)。


つるりとした食感とさっぱりした酸味。
火照った体にスッと染みわたり、「あぁ夏はこれだ」と思わずため息が出る味わいです。
音と風がつくる夏時間
蝉の声、泉に落ちる水の音、そして時おり吹き抜ける風。
エアコンの冷気にはない「自然の涼」がそこにあり、時間までゆったり流れていくようでした。
8月の猛暑日。
それでも夏を受け入れて楽しむなら、こんな涼のひとときこそ最高の贅沢かもしれません。


八十八名物ところてん 清水屋(きよみずや)
香川県坂出市西庄町759-1
【TEL】0877-46-1505
【FAX】0877-46-1199
【駐車場】30台
【営業時間】9:00~夕暮れ(夏季~17:00、冬季~16:00)
【定休日】3月中旬〜9月末 無休
10、11月 日曜日・祝日
12月~3月中旬 完全店休