日本で一番海に近い県庁所在地 高松市

屋島からの高松市展望 スポット
屋島の展望台から一望した高松市
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海に浮かぶ要塞都市

海に近い都道府県庁ランキングを見ると

筆者の子供時代である昭和の頃から、全国放送で高松市が取り上げられる際には、必ず屋島山頂から西側を見下ろした風景が映し出されていた。

埋め立てが進んだ現在でも、当時から高松市を見下ろす景観は、見る者に「この街は海に近い!近すぎる!」という印象を強く与えてきた。

この高松市は全国の県庁所在地の中でも特に海に近い都市なのではないかと考えている。

もちろん、全国都道府県を見渡せば同じく海に面した県庁所在地はあるだろう。

ちなみに海に近い都道府県庁ランキングは以下となっている

順位県庁県庁所在地距離
1長崎県庁長崎市64m
2神奈川県庁横浜市164m
3鹿児島県庁鹿児島市367m
4島根県庁松江市508m
5青森県庁青森市665m
6兵庫県庁神戸市884m
7千葉県庁千葉市1.06km
8福岡県庁福岡市1.07km
9沖縄県庁那覇市1.30km
10香川県庁高松市1.36km

これを見れば高松市にある香川県庁は海から1.36km離れていてランキングでは10位になる。

なのに海が身近に感じられる街なのは、かつての港町だったことだけが理由ではない。

海に浮かぶ要塞都市

現代の都道府県庁と海との距離を見れば高松市は全国ランキングでも10位程度にしか過ぎない。

では昔はどうだったか?

江戸時代。

現代の県庁にあたる政治の中心は城だった。

高松藩は丸亀市と多度津・観音寺を除いた香川県一帯を統治する藩で高松城を政治の中心に据えた。

高松城 玉藻城 桜門

高松城(玉藻城)桜門

この城はNHK番組ブラタモリでタモリが訪れた。

海に近い城として紹介されていたように思う。

だけど海に近いどころではない。この城は海の上にあると言って良い。

埋めたての進んだ現代ですら城から北を見ればすぐそこに海が見える。

城の月見櫓の窓からの光景

写真は月見櫓から見た光景。

これでも埋め立てられていて江戸時代には海はこの櫓の真下まで来ていた。

櫓の隣りには水手御門という門があり、船はそこに付けられてお殿様はその門をくぐって船へ乗船していたとか。

高松城は別名「玉藻城」。

柿本人麻呂が詠んだ歌が伝えられる。

『高松様は城が見えます海の上』

会場に浮かんだ船から見れば城が海の上に見えていた光景をよくあらわしている。

月見櫓も本来は「着き見櫓」で船の到着を監視していたのかもしれない。

堀の水に海水を引き込んでいるのもこの城の特徴で鯛に餌やりができるとの話題で最近は観光客の数も増えてきたようだ。