
香川県の最東端、東かがわ市。
ここに、ひっそりとたたずむ「大坂峠(おおさかとうげ)」という、地味だけど実力派の峠があります。
でもこれ、ただの峠と思うなかれ。
古代から使われ、義経も通ったとされ、江戸時代の繁栄したと言われる引田の街を見下ろし、現代ではドライブ&サイクリングの聖地になっているという、
地味に「全部入り」のオールラウンダー峠なんです。
🏞 展望台からの景色が“歴史マップ”だった
大坂峠の展望台に立つと、目の前に広がるのが――
東かがわ市・引田の町並みと港。
この景色、実はただの「イイ景色」ではありません。
江戸時代、引田港は風待ちの港として大繁栄していた、歴史的な絶景なんです。
⛵ 江戸時代の“トラックステーション”だった引田港
瀬戸内海を行き交う北前船や廻船が、天候の悪化や潮待ちで立ち寄ったのがこの引田港。
大坂峠から見えるこの港、昔は船がひしめき、問屋や茶屋、遊郭まで立ち並ぶ活気あふれる場所でした。
「あ、ここで風止むまで待機ね」
→「なら引田で一杯やってくか」
→「ついでに泊まっちゃおうか」
という、江戸時代の船乗りたちの“プチ歓楽街”。
このにぎわいは『引田湊御用留』などの史料にも残されていて、
今でいえば「サービスエリア兼グルメと宿泊とエンタメ付き海の駅」レベルのハイスペック港だったのです。

🧭 そしてその引田港を見下ろす、大坂峠の意味とは?
つまりこの大坂峠、古代から陸路と海路が交差する、交通と情報の要衝だったということ。
- 古代:官道の支線として阿波と讃岐をつなぐ動脈
- 中世:源義経が屋島へ向けて通過(伝承あり)
- 江戸:引田港の繁栄を見下ろす見張り台のような位置
- 現代:ドライブと絶景のスーパースポット
展望台に立って風を感じるだけで、
「ここ、歴史の“ハブ空港”やん!」と気づかされます。
🐴 義経も通った⁉︎ 平家討伐前に一休み?
1185年、源義経が阿波から讃岐へ向かい、屋島で平家を奇襲したとき。
彼が通ったルートのひとつがこの大坂峠越えルートだとする伝承があります。
馬を降りて一息つき、
遠くに霞む屋島の方向を睨んだ義経。
「平家、見つけたぞ(まだ見えてない)」
……という義経ロマン妄想ができる場所、それが大坂峠。
🏕 展望台にベンチと駐車場完備!攻めずに休むも良し
現地には駐車場、ベンチあり。
休憩・お弁当・読書・ポエム・愛の告白、全部できます。
しかも山なのに、登らずに行ける。
いや、もはやこれは「ハイキング界のチートコード」です。
🚴♂️ ロードバイク界の秘密練習場
地元サイクリストの間では、
「大坂峠を越えてうどんを食いに行く」という謎ルーティンが存在。
香川→徳島に抜けると、
「鳴門のうず潮とうどんと海鮮丼があなたを待っている!」(※たぶん)
🖼 まとめ:峠なのに“登る前に勝ってた”大坂峠
古代から現代まで交通の要衝であり、
義経も見た(かもしれない)絶景に、
江戸時代の繁栄を今に伝える風待ちの港。
そして今、あなたがそこに立って、
スマホを構えてSNSに投稿するその瞬間――
あなたもこの千年スケールの歴史の一部になるのです。
🔗 お役立ちリンク
- 🗺 大坂峠 展望台(Googleマップ)
- 🛳 引田港の歴史について(東かがわ市HP・文化財ページ)
- 🧠 参考:『引田湊御用留』『東かがわ市史』